【2025年完全版】外壁塗装の相場はいくら?30坪・40坪の「適正価格」と見積もりの全項目単価を徹底公開

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「A社の見積もりは80万円、B社は120万円、C社は150万円…。一体どれが適正価格なの?」
「ネットには『相場は60万円〜』と書いてあるけど、そんなに安くできるの?」

外壁塗装を検討し始めたあなたが、最初にぶつかる壁。それが「定価が存在しないことによる価格の不透明さ」です。

はっきり申し上げます。
ネット上にある「外壁塗装50万円!」のような広告は、客寄せのための「釣り価格」か、手抜き工事を前提とした「危険な価格」のどちらかです。

一般的な30坪の戸建て住宅を、まともな職人が、まともな工程(3回塗り)で仕上げる場合、総額で100万円前後かかるのが「現実(リアル)」です。

この記事では、元塗料メーカーの視点で、坪数別の「嘘偽りのない相場表」に加え、見積書に書かれるすべての項目の「適正単価」を完全網羅しました。
これを読めば、手元の見積もりが「ボッタクリ」か「適正」か、一発で判別できるようになります。

1. 【総額早見表】坪数×塗料ランクで見るリアルな費用感

まずは、結論となる「総額」を押さえましょう。
外壁塗装の費用は、「家の大きさ(塗装面積)」と「選ぶ塗料のグレード」の掛け算で決まります。

以下は、足場代・高圧洗浄費・人件費・保証料などを含んだ「最終的な支払い総額」の目安です。

塗料グレード 20坪
(狭小住宅)
30坪
(平均的な2階建て)
40坪
(大きめの家)
シリコン
(現在の標準)
60〜80万円 80〜100万円 100〜130万円
ラジカル・フッ素
(高耐久・推奨)
70〜90万円 100〜120万円 120〜150万円
無機塗料
(最高級)
90〜110万円 120〜140万円 150〜180万円

※屋根塗装を含む場合の概算です。建物の形状や劣化状況により変動します。

もし、30坪シリコンプランで「150万円」と言われたら、それは相場より高すぎる(ボッタクリの可能性)と判断して間違いありません。
逆に「50万円」と言われたら、何か重要な工程(足場の安全性や塗りの回数)が削られている可能性が高いです。

2. 見積もりの全項目を解剖!「平米単価」の適正リスト

総額だけ見ても、その中身が適正かは分かりません。
優良業者の見積もりには、必ず詳細な内訳が記載されています。

ここでは、各工程の「平米(㎡)単価の相場」をリスト化しました。
手元の見積書と照らし合わせてみてください。

① 足場・洗浄(工事の準備)

どんな工事でも必ず発生する「共通仮設費」です。

  • 足場仮設費(ビケ足場): 600〜900円/㎡
    ※単管足場ならもっと安いですが、危険なので推奨しません。
  • 飛散防止ネット: 100〜200円/㎡
  • 高圧洗浄費: 200〜300円/㎡
    ※バイオ洗浄の場合は500円〜が目安。

② 外壁塗装(メイン工事)

使う塗料によって単価が変わります。ここが価格差の主原因です。
(※下塗り・中塗り・上塗りの3回セットの合計単価目安)

塗料の種類 単価相場(材工共) 特徴
アクリル・ウレタン 1,400〜2,000円/㎡ 寿命が短い(5〜8年)。今はほとんど使われない。
シリコン 2,300〜3,000円/㎡ コスパ最強。現在のスタンダード(10〜12年)。
ラジカル制御 2,500〜3,200円/㎡ シリコンの価格でフッ素並みの耐久性。人気急上昇中。
フッ素 3,500〜4,500円/㎡ 高耐久(15〜20年)。商業ビルや橋梁にも使われる。
無機・光触媒 4,500〜5,500円/㎡ 最高級だが、割れやすいリスクもある。

③ 付帯部(ふたいぶ)塗装

意外と忘れがちな「壁以外」の細かいパーツ。ここを塗らないと、家全体の美観が損なわれます。

  • 雨樋(あまどい): 800〜1,500円/m
  • 破風板・鼻隠し: 900〜1,500円/m
  • 軒天(のきてん): 1,000〜1,500円/㎡
  • 雨戸・戸袋: 2,000〜4,000円/枚
  • ベランダ防水(トップコート): 3,000〜5,000円/㎡

④ コーキング(シーリング)工事

サイディング住宅の場合、これが最も重要です。

  • 増し打ち(上から塗る): 600〜900円/m
    ※寿命が短いため非推奨。
  • 打ち替え(撤去して新設): 900〜1,200円/m
    ※基本はこちらを選ぶべき。

3. なぜ「相場より高い」見積もりが出るのか?

「うちは30坪なのに、見積もりが150万円を超えている…」
相場表より明らかに高い場合、以下の「中間マージン」が発生している可能性が高いです。

ケース①:ハウスメーカーに頼んでいる

大手ハウスメーカー(積水ハウス、ダイワハウス等)のリフォーム部門は、30%〜40%の「紹介料・管理費」を上乗せします。
実際の工事は地元の塗装店に丸投げされるため、あなたが払う150万円のうち、約50万円は工事に使われない「安心料」として消えています。

ケース②:訪問販売の営業会社

突然ピンポンとやってくる営業会社は、営業マンへの高額な歩合給(インセンティブ)が必要です。
「足場代無料キャンペーン」などで一見安く見せかけますが、塗料単価を相場の2倍(5,000円〜)に設定するなどして、最終的には相場より高くなるカラクリになっています。

4. 逆に「相場より安すぎる」業者も危険

「30坪で総額50万円」という激安業者も存在します。
しかし、材料費と人件費を計算すれば、まともな工事でその金額は不可能です。

彼らが利益を出す方法は、「見えない部分の手抜き」しかありません。

  • 塗料を水で薄める: 規定以上に薄めて、缶数を減らす(材料費カット)。
  • 3回塗りを2回にする: 中塗りを省いて、いきなり上塗りを塗る(人件費カット)。
  • 乾燥時間を守らない: 半乾きの状態で次を塗る(工期短縮)。

これらをやられると、塗装は10年持つどころか、3年でベロベロに剥がれてきます。
「安物買いの銭失い」の典型例です。

5. 【重要】「坪数」だけで判断してはいけない理由

ここまで「30坪なら〇〇円」と説明してきましたが、最後にプロとしての本音(ちゃぶ台返し)をお伝えします。

⚠️ 「坪数」での見積もりは、あくまで概算です

実は、正確な見積もりを出すために必要なのは「床面積(坪数)」ではなく、「外壁の表面積(塗装面積)」です。

同じ30坪の家でも、以下のような条件で金額は10万〜20万円平気で変わります。

  • 窓の数と大きさ: 窓が多い家は、塗る面積が減るので安くなる(逆に、養生の手間賃は上がる)。
  • 外壁の凹凸: シンプルな総二階の家より、複雑な形の家の方が足場代や手間賃が高くなる。
  • 劣化状況: ひび割れ(クラック)が多ければ、補修費が追加でかかる。
  • 隣家との距離: 人が通れないほど狭い場合、足場の運搬費が割増になる。

つまり、ネットの相場表を見て「うちは100万円だ」と決めつけるのは危険です。
あなたの家の「本当の適正価格」は、プロが実際に図面を見て、現地でメジャーを当てない限り、誰にも分からないのです。

6. 結論:適正価格を知る唯一の方法は「相見積もり」

外壁塗装には定価がありません。
だからこそ、1社だけの見積もりを見て「高い」「安い」と判断するのは不可能です。

失敗しないための鉄則は、「全く同じ条件(同じ塗料グレード)で、2〜3社の見積もりを取って比べること」です。

  • A社:150万円(訪問販売・高すぎ)
  • B社:60万円(激安店・怪しい)
  • C社:100万円(地元の優良店・適正)

このように並べて初めて、「C社が一番まともだ」という正解が見えてきます。

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※ 嫌な業者への「お断り代行」もサポートします。

7. まとめ:値段だけで決めると失敗する

外壁塗装は、家電製品のように「安く買えれば勝ち」というものではありません。
「100万円」という金額は決して安くありませんが、それで「15年間の安心」が買えるなら、長い目で見れば安い買い物です。

逆に、50万円で安く済ませても、3年で剥がれてやり直しになれば、それは「最も高い買い物」になります。
目先の金額に惑わされず、中身(工事内容)をしっかり見極めて、あなたの大切な家を守ってください。


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