「冬に塗装すると、塗料が乾かなくて失敗するよ」
「春になるまで待ったほうがいいんじゃない?」
1月や2月の工事を検討していると、まわりからそんなアドバイスをされることがあります。
確かに、塗料化学の常識として「冬は塗装にとって最も過酷な季節」であることは事実です。
しかし、実は業界の裏側を知る人間からすると、冬は「賢い施主がこぞって工事をする狙い目の時期」でもあります。
なぜなら、閑散期で仕事が欲しい業者が「値引き」に応じやすく、かつ普段は予約で埋まっている「腕利きの親方」を押さえやすいからです。
この記事では、冬塗装で失敗しないための「絶対的な気温ルール」と、リスクを回避して「安く・高品質に仕上げる裏ワザ」を解説します。
1. なぜ「冬はやめとけ」と言われるのか?(5℃の壁)
まず、リスクを直視しましょう。
すべての塗料パンフレットには、以下の「使用上の注意」が極小文字で書かれています。
⚠️ 塗装中止の条件(メーカー規定)
- 気温が5℃以下のとき
- 湿度が85%以上のとき
この条件を無視して塗ると、塗料が乾燥(造膜)する前に凍ってしまったり、硬化不良を起こして「1年で剥がれるゴミ」になります。
冬の朝晩は、平気で5℃を下回ります。
つまり、冬の塗装は「塗れる時間帯が極端に短い(10時〜15時くらい)」のです。
ここを理解せず、「早く終わらせて帰りたい」という一心で、氷点下の早朝や夕方に無理やり塗る手抜き業者がいるから、「冬は失敗する」と言われるのです。
2. 【逆転の発想】条件さえ守れば、冬は「ボーナスタイム」
逆に言えば、「気温管理さえ徹底できる業者」に頼むなら、冬はメリットだらけになります。
| 比較項目 | 🌸 春・秋(繁忙期) | ⛄ 冬(閑散期) |
|---|---|---|
| 費用(値引き) | 定価通り (強気な価格設定) |
交渉しやすい (仕事が欲しいので) |
| 職人の質 | 当たり外れがある (人手不足で応援が来る) |
エース級が来る (暇なので親方が塗る) |
| 工期 | 2週間(標準) | 3週間〜 (乾燥待ちで伸びる) |
| 生活環境 | 窓を開けたいのに開けられない (塗料臭がこもる) |
窓を閉め切っていても平気 (寒くて開けないので) |
特に大きいのが「職人の質」です。
春や秋は忙しすぎて、経験の浅い見習いやアルバイトが現場に来ることがあります。
しかし、冬は仕事が少ないため、普段は予約が取れない「一級塗装技能士」の親方自身が、丁寧に塗ってくれる確率がグンと上がるのです。
3. 冬塗装で失敗しないための「魔法の質問」
冬に工事をするなら、契約前に必ず業者にこう聞いてください。
「気温が5℃以下の日や、夜露が降りる夕方は、作業を中断してくれますか?
工期が伸びても構わないので、乾燥時間をカタログ通りに守ってください」
これに対して、
❌「いやぁ、冬用の硬化剤を使うから大丈夫ですよ(早く終わらせたい)」とごまかす業者はNG。
⭕「もちろんです。10時から15時までの作業になるので、工期は長くなりますがよろしいですか?」と正直に答える業者は信頼できます。
4. 【ちゃぶ台返し】冬の値引きは「自分」では言わないこと
「よし、じゃあ冬の閑散期を狙って値引き交渉しよう!」と思った方。
ちょっと待ってください。
⚠️ 素人の値引き交渉は「手抜き」を招きます
あなたが直接「安くして」と言うと、業者は表面上は笑顔で応じますが、裏でこう考えます。
「利益が減った分、塗料を薄めるか、工程を省いて帳尻を合わせよう」
品質を落とさずに「正当な閑散期値引き」を引き出すには、直接交渉ではなく、
「複数の業者を競わせて、業者の方から『冬なので安くします』と言わせる状況」を作らなければなりません。
冬の「最安値」と「最高品質」を同時に手に入れる
冬の塗装は「業者選び」がすべてです。
一括見積もりサービス「ヌリカエ」なら、閑散期でスケジュールが空いている地元の優良業者(エース級の職人)を、簡単に見つけることができます。
「相見積もり」であることを伝えれば、業者は仕事欲しさに自発的に「冬の特別価格」を提示してくるでしょう。
無理な交渉なしで、コストダウンが叶います。
冬の閑散期価格で、賢く見積もりを取る
※ 3月(繁忙期)に入ると価格が上がる可能性があります。
5. まとめ:冬こそ「施主」が主導権を握れる
春や秋は業者が強気ですが、冬は施主であるあなたが選ぶ立場になれます。
「気温管理ができるか」という踏み絵を踏ませ、クリアした優良業者を安く使う。
これが、業界を知り尽くした私が自宅を塗るなら絶対にやる、最も賢い戦略です。