「30年持つ無機塗料」の嘘とデメリット。最高級塗料を選ぶと逆に損をする意外な理由

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「この無機塗料(むきとりょう)なら、30年は持ちます。もう塗り替えは不要ですよ」

もし、営業マンにそう言われて、相場より50万円も高い契約書にハンコを押そうとしているなら、今すぐ手を止めてください。

断言します。
日本の住宅環境において、「メンテナンスフリーで30年持つ塗料」など存在しません。

無機塗料は確かに最強の耐久性を誇りますが、実は「ある致命的な弱点」を抱えています。
それを知らずに採用すると、数年で外壁がバリバリに割れてしまい、高いお金がすべて無駄になるリスクがあるのです。

この記事では、メーカーのカタログには小さくしか書かれない「無機塗料のデメリット」と、家全体の寿命から見た「コストパフォーマンスの真実」を暴露します。

1. 無機塗料とは何か?「ガラス」を塗るメリットとリスク

無機塗料とは、紫外線で劣化しない「無機物(ガラスや石)」の成分を配合した塗料です。
理論上は、半永久的に劣化しない最強の素材です。

最大のデメリットは「硬すぎて割れる」こと

ガラスが紫外線に強いのはご存知の通りですが、同時に「衝撃や動きに弱く、割れやすい」という性質も持っています。

日本の住宅(特にサイディングや木造)は、地震や気温変化で常に「呼吸(伸縮)」しています。
この動きに対し、カチカチに硬い無機塗料を塗ってしまうと、壁の動きに追従できずに塗膜がひび割れてしまう(クラック)のです。

「最強の塗料」と信じて塗ったのに、3年後にひび割れだらけ…。
これが、知識のない業者が無機塗料を塗った際の典型的な失敗パターンです。

2. 【決定的証拠】「コーキング」が先に死ぬ問題

百歩譲って、外壁自体は25年持ったとしましょう。
しかし、サイディング住宅には必ず「目地(コーキング)」があります。

ここに、高額な無機塗料が無意味化する「寿命のギャップ(矛盾)」が存在します。

部位 一般的な寿命 発生する問題
無機塗料の壁 20〜25年 壁はまだ綺麗。
コーキング(目地) 10〜15年
(高耐久品でも)
ここだけ切れて雨漏りする。

お分かりでしょうか?
いくら壁が25年持っても、10数年後には「コーキングの打ち替え工事」が必要になり、そのために「足場(約20万円)」を組まなければならないのです。

「どうせ足場を組むなら、ついでに壁も塗ろうか」となるのがオチです。
つまり、壁だけ25年持たせても、メンテナンスサイクル全体で見ると「コスパが悪い(払い損)」になる可能性が高いのです。

3. 塗料グレード別「コスパ最強」決定戦

「じゃあ、結局どのグレードを選べばいいの?」
元メーカーとしての結論は、「シリコン」か「フッ素」で十分です。

塗料グレード 耐用年数 コスト
(30坪総額目安)
プロの評価
無機 20〜25年 120〜160万円 過剰スペック。
割れのリスクあり。
フッ素 15〜20年 100〜130万円 ◎ バランス最強
コーキング寿命と合う。
シリコン
(ラジカル制御)
12〜15年 80〜110万円 ◎ コスパ最強
今のスタンダード。
ウレタン 8〜10年 70〜90万円 安物買いの銭失い。
推奨しない。

特に、日本ペイントやエスケー化研などの大手メーカー品であれば、ラジカル制御シリコンやフッ素で十分すぎるほどの性能があります。

4. 「オリジナル無機塗料」には絶対手を出すな

最後に、最も悪質なケースについて警告します。

⚠️ 訪問販売の「オリジナル塗料」は中身が不明です

「当社オリジナルの無機塗料です」
「OEMなので、大手メーカーより高性能で安いです」

こう言われたら、即座に断ってください。
多くの場合、それは中堅メーカーの安い塗料のラベルを貼り替えただけで、「中身は普通のシリコンなのに、価格だけは無機並み(ボッタクリ)」というケースが後を絶ちません。

本当の優良業者は、カタログや実績が誰でも確認できる「日本ペイント」や「エスケー化研」などのメジャーな塗料を提案します。
なぜなら、それが一番信頼できて、トラブルが少ないと知っているからです。

その高額見積もり、本当に適正ですか?

無機塗料を勧められている方は、一度立ち止まってください。
「本当にそのスペックが必要か?」「コーキング交換費用は含まれているか?」

一括見積もりサービス「ヌリカエ」を使えば、ボッタクリ価格のオリジナル塗料ではなく、日本ペイントなどの「信頼できる正規品」を適正価格で提案してくれる優良業者が見つかります。

オリジナル塗料の半額で済むかもしれません

※ 無機塗料の相場チェックだけでもOKです。

5. まとめ:家全体の寿命バランスを考えよう

塗料だけを最強にしても、家は長持ちしません。
コーキングや屋根、雨樋など、すべての部材の寿命バランスを整えてこそ、真のコストダウンになります。

「30年持つ」という甘い言葉に惑わされず、15年先、20年先のメンテナンス計画まで親身に考えてくれるプロを選んでください。


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