外壁塗装後のひび割れ(クラック)はなぜ起こる?原因と再発防止の仕組みを徹底解説

外壁を塗り替えたのに、数年で細かなひび割れ(クラック)が発生していませんか?
見た目の問題だけでなく、放置すると雨水の侵入や塗膜剥離にもつながるため注意が必要です。

この記事では、外壁塗膜にひび割れが起こる原因と、
再発を防ぐための正しい施工方法・塗料選びについて詳しく解説します。


1. クラック(ひび割れ)とは?

クラックとは、外壁や塗膜表面にできる“割れ”のことを指します。
発生原因によって種類と対処法が異なり、早期発見と正しい判断が重要です。

種類特徴主な原因
ヘアークラック幅0.3mm以下の細いひび塗膜の経年劣化・乾燥収縮
構造クラック幅1mm以上の深いひび建物の歪み・地震・不同沈下
開口クラック継ぎ目・サッシ周りなどに発生シーリング劣化・温度変化
マイクロクラック肉眼では見えにくい微細なひび塗膜の硬化不良・紫外線劣化

💡ポイント:
髪の毛のように細い「ヘアークラック」は、早期なら再塗装で補修可能です。
ただし、構造クラックは内部損傷を伴うことがあり、専門調査が必要です。


2. ひび割れが起こる主な原因

① 経年劣化

塗膜は紫外線や温度差により伸縮を繰り返し、徐々に弾性を失っていきます。
硬化した塗膜が収縮に耐えられなくなると、微細なクラックが発生します。

② 下地の動き(地震・振動・温度変化)

モルタル壁やALCパネルは、気温や湿度によって微妙に動きます。
弾性のない塗料を使用すると、その動きに追従できずひび割れます。

③ 下地処理の不備

古い塗膜を完全に除去せず上塗りすると、新しい塗料が密着せず、
数年以内にひびや剥がれが生じることがあります。

④ シーリング劣化

外壁サイディングの継ぎ目(目地)に使われているシーリング材が硬化・収縮し、
隙間から水が侵入 → 周囲の塗膜が割れるケースも多いです。


3. クラックを放置するとどうなる?

被害内容
雨水侵入下地・構造材が腐食する
カビ・藻の発生湿気により繁殖
塗膜の剥離内部水分で膨れ・剥がれ発生
美観低下外壁全体の劣化が早まる

💬 注意:
クラックを“見た目だけの問題”と捉えるのは危険です。
細いひびでも水の通り道になるため、早期補修が鉄則です。


4. クラックの補修方法(タイプ別)

✅ ヘアークラック(軽度)

  • サンドペーパーで周囲を研磨
  • 下地を清掃後、シーラー塗布
  • 弾性塗料で再塗装

→ シリコン・フッ素・無機など、伸縮追従性のある塗料を選ぶと再発しにくい。


✅ 構造クラック(深刻)

  • クラックをU字またはV字にカット
  • エポキシ樹脂やモルタル補修材を充填
  • 下塗り→中塗り→上塗りの3工程

→ 建物の構造に問題がある場合は、防水工事・補修工事が必要。


✅ シーリング劣化が原因の場合

  • 古いシーリング材を撤去
  • プライマー塗布後に新しいシーリングを打ち直し
  • 上から塗装して防水層を形成

5. クラック対策に有効な塗料・工法

種類特徴適用
弾性塗料(EC-5000PCM・プレミアムシリコン弾性)伸縮性が高く、ひび割れ追従性◎モルタル・ALC壁
微弾性フィラー下塗り材として使用し、吸水・ひび防止下地補強用
無機塗料紫外線耐性が高く長期耐久再発リスクを減らす
フッ素塗料柔軟性と耐候性のバランスが良い再塗装時に最適

💡 コツ:
再発防止には「弾性仕様(下塗り~上塗りすべて弾性対応)」が有効です。


6. クラックを防ぐための施工ポイント

工程注意点
下地調査ひびの深さ・方向・水の侵入経路を確認
下地処理旧塗膜除去・ケレン処理・乾燥管理
下塗り弾性フィラー・プライマーを均一に塗布
上塗りメーカー指定の乾燥時間を守る
仕上げ3分艶仕上げでムラを軽減し、ひびを目立たせない

7. 再発防止のメンテナンス

  • 5年ごとに外壁点検(特にサッシ周り・南面)
  • 雨水跡や小さなひびを早期補修
  • 外壁洗浄で汚れを落とし、劣化進行を抑制

💬 外壁の寿命を20年以上に伸ばすには、
定期点検+早期補修+正しい塗料選定が鍵です。


8. まとめ

外壁のひび割れ(クラック)は、放置すると建物の寿命を縮める原因になります。
特にモルタルやALCなど、動きのある外壁材は弾性塗料での再塗装が効果的です。

再塗装を検討する際は、

  • クラックの種類と深さを診断
  • 下地処理を丁寧に実施
  • 弾性仕様または高耐久塗料を採用

この3つを意識すれば、再発のリスクを大幅に減らすことができます。
美観だけでなく、住まいを長く守るための塗装を意識しましょう。

タイトルとURLをコピーしました