神奈川県は、横浜・鎌倉・藤沢・逗子・三浦などの海沿いエリアを中心に、潮風や湿気の影響を強く受ける地域です。海に面している住宅では、塩害による金属部分の腐食や外壁の劣化が進みやすく、適切な外壁材や塗料の選定が建物の寿命を左右します。この記事では、神奈川県における外壁塗装の相場と、海沿い住宅に最適な外壁材・塗料の選び方を詳しく解説します。
神奈川県の外壁塗装相場
神奈川県の外壁塗装費用は、建物の坪数や塗装面積、使用する塗料の種類によって変動します。以下は一般的な目安です。
建物規模別の相場目安
- 25坪(外壁面積 約120㎡):約80〜110万円
- 30坪(外壁面積 約150㎡):約100〜130万円
- 35坪(外壁面積 約180㎡):約120〜150万円
この金額には、足場代・高圧洗浄・下地補修・塗料費・人件費などが含まれます。
なお、海沿いの住宅では塩害対策用の高耐候性塗料を使用することが多く、内陸部よりも10〜15%ほど費用が上がる傾向にあります。
海沿い住宅に多い劣化の症状と原因
神奈川県の海沿い住宅では、主に以下のような外壁トラブルが多く見られます。
- チョーキング現象(白い粉状の劣化):紫外線と潮風の影響による塗膜の分解。
- サビ・腐食:金属部材(手すり・雨どい・ビス部分など)が塩分を吸着して腐食。
- 塗膜の膨れや剥がれ:湿気が塗膜内部に入り込み、膨張→剥離する現象。
- コーキングの劣化:温度差や乾燥によって亀裂が発生。
こうした症状を放置すると、外壁内部に水分が侵入して構造材を傷めるリスクが高まります。特に潮風が強い逗子や鎌倉エリアでは、10年ごとの塗り替えではなく7〜8年周期のメンテナンスが推奨されます。
外壁材ごとの特徴とおすすめ塗料
外壁の素材によって、選ぶべき塗料の種類やメンテナンス周期は異なります。以下の比較を参考にしてください。
外壁材の特徴とおすすめ塗料
- 金属系サイディング
軽量でデザイン性が高く、塩害にも比較的強い。
→ おすすめ塗料:フッ素塗料・無機塗料(耐候年数 約15〜20年)
→ 注意点:サビが発生した場合は早期補修が必要。 - 窯業系サイディング
全国的に最も普及しているタイプ。デザインが豊富でコスパが良い。
→ おすすめ塗料:シリコン塗料・無機塗料(耐候年数 約10〜15年)
→ 注意点:コーキング部分の劣化に注意。 - モルタル外壁
高級感があり、重厚な質感が特徴。防水性を高める塗料選びが重要。
→ おすすめ塗料:弾性塗料・フッ素塗料(耐候年数 約12〜15年)
→ 注意点:ひび割れの補修を確実に行うこと。
塗料の種類別の価格と耐用年数
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 | 費用目安(㎡あたり) |
|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 約5〜7年 | 安価だが耐久性が低い | 約1,000〜1,300円 |
| シリコン塗料 | 約10〜12年 | コスパが良く人気 | 約1,800〜2,200円 |
| フッ素塗料 | 約15〜20年 | 耐久性・光沢性が高い | 約2,800〜3,500円 |
| 無機塗料 | 約20〜25年 | 紫外線・塩害に最強クラス | 約3,500〜4,500円 |
神奈川県の海沿い地域では、「フッ素塗料」か「無機塗料」が推奨されます。
これらは初期費用がやや高めですが、塗り替えサイクルを大幅に延ばすことができます。
業者選びのポイント
- 海沿い住宅の施工実績があるか確認する
塩害地域の施工経験がない業者だと、塗料選定を誤るリスクがあります。 - 下地補修を丁寧に行う業者を選ぶ
外壁塗装は「下地処理」で仕上がりが決まります。
安さだけで選ばず、補修費込みの見積もりを比較しましょう。 - 保証期間とアフター対応
塗料メーカー保証+業者保証の両方があると安心です。
まとめ
神奈川県の外壁塗装は、地域の気候(塩害・湿気・紫外線)を理解したうえで、
「耐久性」「コスト」「デザイン性」のバランスを取ることが大切です。
特に海沿い地域では、金属系または窯業系サイディング × フッ素または無機塗料の組み合わせが最適。
費用相場はおおよそ 25坪80〜110万円、30坪100〜130万円、35坪120〜150万円。
外壁材・塗料を適切に選定し、信頼できる塗装業者に依頼すれば、
海風にさらされる住宅でも長期間美しさを維持できます。
