外壁塗装は住宅の寿命を延ばし、美観を保つために欠かせないメンテナンス工事です。
しかし、「どの業者に頼むべきか」「見積もりの差は何なのか」など、初めて依頼する人には不安が多いのも事実。
実際、国民生活センターには毎年多くの「外壁塗装のトラブル相談」が寄せられています。
この記事では、失敗を防ぐために必ず確認すべき5つの重要ポイントを、専門家の視点から詳しく解説します。
これを読むだけで、相場や塗料の知識、業者選びの基準がしっかり理解できます。
1. 相見積もりは最低3社から取るのが鉄則
外壁塗装は同じ工事内容でも、業者によって10万〜30万円の差が出ることがあります。
これは「塗料のグレード」や「下地処理の内容」が異なるためです。
比較すべき3つの項目
- 塗料の種類とメーカー名(例:日本ペイント、関西ペイントなど)
- 塗布回数(基本は下塗り+中塗り+上塗りの3回)
- 保証期間(5〜10年が目安)
見積もり書に「一式」と書かれている業者は要注意。
詳細な内訳がなく、後で追加費用を請求されるケースもあります。
同条件で3社比較すれば、適正価格と誠実な業者が見えてきます。
2. 塗料の種類と耐久年数を理解する
「どの塗料を選ぶか」で、外壁の持ちが10年以上変わります。
塗料は主に以下の5種類があり、それぞれコストと耐久性に違いがあります。
| 塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 約5〜7年 | 安価だが劣化が早い。短期リフォーム向け。 |
| ウレタン塗料 | 約8〜10年 | 密着性が高く細部に強いが、紫外線に弱い。 |
| シリコン塗料 | 約10〜12年 | コスパ最高。現在の主流。 |
| フッ素塗料 | 約15〜20年 | 光沢・防汚性が高く高級住宅に人気。 |
| 無機塗料 | 約20〜25年 | 紫外線・雨風に最強クラス。長期耐久向け。 |
ポイント:
- 短期で売却予定ならシリコン塗料が最適。
- 長期居住なら、フッ素または無機塗料が最も経済的です。
3. 下地処理と塗布回数のチェックを忘れずに
高級塗料を使っても、下地処理が不十分だと3年以内に剥がれます。
外壁塗装の品質は「塗る工程」よりも「準備工程」で決まります。
下地処理で重要な作業
- 高圧洗浄:カビ・ホコリ・旧塗膜を除去(100〜150気圧)
- クラック補修:ひび割れのシーリング充填
- ケレン作業:金属部のサビ取り・目荒らし
塗装は必ず「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本です。
2回しか塗らない業者は手抜きの可能性があります。
4. 保証内容とアフターサービスを確認する
外壁塗装は「塗ったら終わり」ではありません。
施工後に色むらや浮き・剥がれが起きることもあります。
そのため、信頼できる業者は必ず保証書を発行します。
チェックすべき保証ポイント
- 施工保証:5〜10年(業者独自の保証)
- メーカー保証:塗料自体に対する品質保証
- 定期点検:1年・3年・5年目などに無料点検があるか
これらが明記されていない業者は避けた方が安全です。
特に、口頭で「10年持ちます」と言うだけの業者は要注意。
5. 契約前に工程表をもらう
優良業者は、契約時に「工事工程表」を提示します。
これは、いつ・何を・どの順に行うかをまとめたスケジュール表。
これがあれば、工期の遅延や手抜き工事を防げます。
工程表の例
| 日数 | 作業内容 |
|---|---|
| 1日目 | 足場設置・養生 |
| 2日目 | 高圧洗浄 |
| 3〜4日目 | 下地補修・シーリング打ち替え |
| 5〜7日目 | 下塗り・中塗り・上塗り |
| 8日目 | 点検・仕上げ |
| 9日目 | 足場解体・引き渡し |
作業日数の目安は10日前後。
天候で前後する場合もあるため、柔軟に対応してくれる業者を選びましょう。
まとめ:知識を持てばトラブルは防げる
外壁塗装は高額工事ですが、正しい知識を持つだけで失敗を避けられます。
- 相見積もりは最低3社
- 塗料の種類と耐久年数を理解
- 下地処理・保証内容・工程表を確認
この5つを守ることで、価格・品質・安心をすべて手に入れられます。
あなたの家を長持ちさせる最初の一歩は、「情報を知ること」から始まります。
