外壁塗装は、戸建て住宅の中でも特に高額なメンテナンス工事のひとつです。
25〜30坪の住宅でも平均相場は80万〜130万円前後。
「なるべく安くしたいけど、手抜き工事はイヤ…」というのが多くの人の本音でしょう。
この記事では、品質を落とさずに外壁塗装の費用を最大で20〜30万円抑えるための実践的な3つのコツを紹介します。
実際に相見積もりや補助金活用で節約した事例も交えて、わかりやすく解説します。
1. 複数業者の「相見積もり」で価格の相場をつかむ
外壁塗装は、同じ家・同じ塗料でも、業者によって10〜40万円の価格差が出ることがあります。
なぜなら、会社ごとに「職人の人件費」「下請け構造」「塗料の仕入れルート」が違うからです。
見積もり比較のポイント
| 比較項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 塗料のメーカー・グレード | 「シリコン」「フッ素」「無機」などの種類と耐用年数を比較 |
| 塗布回数 | 下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本 |
| 足場代 | 面積と高さによって変動。相場は15〜25万円前後 |
| 保証年数 | 5年以上なら安心。短い場合は注意。 |
相見積もりのコツ
- 最低3社から見積もりを取る
- 「坪数」「塗料」「立地条件」を統一して比較
- オンライン見積もりサイト(ヌリカエ・外壁塗装パートナーズなど)を活用
これだけで、相場感が掴め、不当に高い見積もりを避けられます。
相見積もりは“節約の第一歩”です。
2. コスパの良い塗料を選ぶ(10年あたりの費用で比較)
外壁塗装は「安さ」ではなく「1年あたりのコスト」で判断するのが正解です。
塗料別の10年あたりコスト比較
| 塗料種類 | 耐用年数 | 費用(㎡あたり) | 10年あたりコスト |
|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 約6年 | 約1,000円 | 約16万円/10年 |
| シリコン塗料 | 約12年 | 約1,800円 | 約15万円/10年 |
| フッ素塗料 | 約18年 | 約3,000円 | 約16万円/10年 |
| 無機塗料 | 約23年 | 約3,800円 | 約16.5万円/10年 |
一見高く感じるフッ素・無機塗料も、耐用年数で割れば実は最もお得。
長期的に再塗装回数を減らせるため、結果的に費用を抑えられるのです。
3. 補助金・助成金制度を活用する
外壁塗装は、自治体によって補助金や助成金が支給される場合があります。
多くは「省エネ塗料(遮熱・断熱)」の使用や「地域業者への依頼」が条件です。
例:東京都・神奈川県の一部助成制度(2025年時点)
| 自治体 | 助成上限額 | 対象条件 |
|---|---|---|
| 東京都世田谷区 | 最大10万円 | 遮熱・断熱塗料の使用 |
| 神奈川県横浜市 | 最大8万円 | 市内施工業者・省エネ塗料採用 |
| 千葉県船橋市 | 最大5万円 | 地元事業者による住宅リフォーム |
| 埼玉県川口市 | 最大10万円 | 耐久性向上・景観維持を目的とした外壁改修 |
申請には「見積書」「施工前後の写真」「領収書」などの提出が必要。
ただし、着工前に申請が必須なので注意してください。
👉 「○○市 外壁塗装 助成金」で検索すれば、最新情報を確認できます。
4. 不要なオプション・高額提案を見抜く
塗装業者の中には、必要のない工事を追加してくるケースもあります。
代表的なのが以下の3つ。
よくある高額オプション
- 過剰な防水工事(屋根やベランダまでセット提案)
- 高機能塗料の押し売り(「30年持つ塗料」など誇大説明)
- 不必要なシーリング全面打ち替え(部分補修で十分な場合も)
回避のポイント
- 「なぜ必要なのか?」を具体的に説明してもらう
- メーカー資料を提示してもらう
- 必要な範囲のみ見積もりに反映
「一式で120万円→オプション削除で95万円」など、交渉で20〜30万円下がることもあります。
5. 地元の自社施工業者を選ぶ(中間マージンをカット)
ハウスメーカーや大手リフォーム会社は、施工を下請け業者に丸投げすることが多く、
その中間マージンが20〜30%上乗せされています。
一方、地元の「自社施工業者」は、見積もりから工事までを自社で行うため、
品質もコストも管理しやすいのが特徴です。
自社施工業者の見分け方
- 見積書・名刺に「代表者名」「自社職人」「所在地」がある
- 「自社職人施工」「直営工事」と明記されている
- 地域密着(Googleマップでレビュー★4以上)
地元業者を選ぶことで、10〜20万円ほど費用が下がるケースもあります。
6. 工期の柔軟性を持つと割引が受けられることも
繁忙期(春・秋)は業者のスケジュールが埋まりやすく、割引交渉が難しいですが、
閑散期(冬・梅雨明け)は価格交渉が通りやすくなります。
値引き交渉のタイミング
- 「他社と比較中」と伝える
- 「工期をずらしてもいい」と柔軟に対応する
- 現金一括払いを提示する(カード手数料が不要になるため)
このような交渉で、5〜10%の値引きが通ることもあります。
7. 費用を抑えるためのチェックリスト
✅ 相見積もりを3社以上から取る
✅ 「㎡単価・塗料名・塗布回数」が明記された見積もりを確認
✅ 高機能塗料・オプション提案の理由を明確に
✅ 自社施工・地域密着の業者を選ぶ
✅ 補助金・助成金を活用する
まとめ:品質を落とさずに、正しく節約する
外壁塗装の費用は、業者や時期によって大きく変わります。
しかし、「安くする=手抜きになる」わけではありません。
- 相見積もりで価格を比較
- 長期的にお得な塗料を選ぶ
- 補助金と交渉を上手く使う
この3ステップを意識するだけで、品質を保ちながら最大30万円の節約が可能です。
外壁塗装は「一度塗って終わり」ではなく、「10年後も守る投資」。
正しい知識と比較眼を持てば、コストを抑えて理想のリフォームを実現できます。
