外壁塗装の施工トラブル事例と失敗しない業者選び

外壁塗装は、費用も大きく一度施工すると10年以上は影響する重要な工事です。
しかし、実際には「仕上がりが悪い」「すぐに剥がれた」「追加費用を請求された」など、
施工トラブルに悩まされるケースが後を絶ちません。

この記事では、実際に起きたトラブル事例をもとに、
失敗しない業者選びの基準と、契約前に確認すべきポイントを徹底解説します。


1. よくある外壁塗装トラブルの実例

① 塗膜の早期剥離(1〜2年での劣化)

原因:下塗り不足・乾燥時間の短縮・高圧洗浄の不十分さ。
施工を急ぐ業者が「3回塗り」を省略したり、湿気の残る状態で塗装を行うと発生します。

実例

「築15年で塗装したが、2年で外壁がまだらに剥がれた。業者に連絡すると『塗料の問題ではない』と対応拒否された。」

対策

  • 施工中の写真を必ず撮影・保存してもらう
  • 「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程を明記した契約書にする

② 色ムラ・艶ムラの発生

原因:塗料の撹拌不足・塗布量の不均一・日当たり差による乾燥不良。
特に職人の技術差が出やすい部分です。

実例

「南面だけ光沢が強く、北面はムラだらけ。補修してもらったが全体バランスが悪化。」

対策

  • 試し塗り(サンプル塗布)を依頼して色・艶を確認
  • 同じ職人が全体を仕上げるよう依頼する

③ 見積もりより高額な追加請求

原因:現地調査が不十分なまま契約したケースに多い。
施工後に「下地が腐っていた」「コーキングが全交換だった」などで費用が上乗せされます。

実例

「見積もり120万円→完工後150万円の請求。説明も曖昧で納得できなかった。」

対策

  • 「追加費用発生時は必ず書面で承諾を得る」と契約書に明記
  • 3社以上の見積もりを比較して相場を把握

④ 近隣トラブル(洗浄水・臭気・騒音)

原因:養生不足・作業時間管理の杜撰さ。
高圧洗浄水が隣家にかかったり、塗料臭が洗濯物に付くなどの苦情が多発します。

実例

「近隣からクレームが入り、業者が対応せず結局自分で謝罪に回った。」

対策

  • 工事前に業者が近隣挨拶を行うか確認
  • 作業時間・養生範囲を事前に説明してもらう

⑤ 工事保証が曖昧・アフター対応がない

原因:個人業者や下請け中心の会社に多いケース。
保証書が形式だけで、実際に不具合が出ても対応されないことがあります。

実例

「保証10年と聞いていたが、施工店が1年後に倒産。結局自己負担で再塗装した。」

対策

  • メーカー保証+施工保証の両方を確認
  • 会社の実在性(登記・所在地)をチェック

2. トラブルを防ぐための事前チェックリスト

チェック項目確認ポイント
現地調査写真・計測付きの診断をしているか
見積もり工程・塗料名・面積が具体的か
契約書追加費用・保証条件が明記されているか
職人体制自社施工か下請けかを確認
保証内容塗膜保証・アフター点検の有無
評判Googleレビュー・口コミの確認

💡 重要
安いだけで選ばないこと。
「丁寧な調査・説明・報告」を行う業者こそ、長く付き合える良心的な会社です。


3. 優良業者を見分ける7つのポイント

  1. 現地調査が1時間以上かかる
     → 外壁だけでなく、屋根・付帯部・コーキングを丁寧に点検。
  2. 塗料メーカーの正式認定店である
     → メーカー講習を受けた業者は施工品質が安定。
  3. 施工写真を提出してくれる
     → 下塗り・中塗り・上塗りの全過程を証明できる。
  4. 保証書が2種類ある(メーカー・施工店)
     → 塗料トラブルと施工トラブルの両方に対応。
  5. 見積もり書に「使用塗料名・数量」が明記
     → 材料をごまかさない業者の証拠。
  6. 近隣挨拶を業者が行う
     → トラブル防止への意識が高い。
  7. 口コミ・評判が実名で投稿されている
     → 匿名レビューより信頼性が高い。

4. 避けるべき悪質業者の特徴

注意サイン内容
「今日契約すれば○万円引き」と即決を迫る契約急ぎの押し売り型
「足場代無料」など極端な値引き他項目で上乗せされる可能性
名刺・会社住所が不明瞭個人ブローカーの可能性
下請け任せ・職人が現場不在品質管理が不十分
契約書の控えを渡さない消費者トラブルの典型

💬 ワンポイント
不審な業者は「工事日程が異常に早い」「現地確認が10分で終了」などの共通点があります。


5. 契約前に確認すべき5つの書類

  1. 見積書(内訳明細つき)
     → 「塗料名・数量・単価」を必ず確認。
  2. 契約書
     → 追加費用・中途解約・支払い条件を明記。
  3. 保証書
     → 保証期間・対象範囲・免責事項を確認。
  4. 工程表
     → 各作業の順序と日数を明記。
  5. 会社概要書
     → 所在地・法人番号・施工実績を確認。

6. トラブル発生時の正しい対応

  • まずは施工業者へ書面で修理依頼(証拠を残す)
  • 対応が不誠実な場合は「消費生活センター」に相談
  • 施工不良が明確なら「日本塗装工業会」や「住宅リフォーム紛争処理センター」へ

💡 記録が重要!
写真・メール・契約書・見積書など、全ての証拠を保管しておきましょう。


7. まとめ

外壁塗装のトラブルは、「業者選び」と「契約内容の曖昧さ」が原因の9割です。
施工品質は塗料の性能だけでなく、“人の手”と“管理体制”で決まります。

  • 調査・見積もり・報告が丁寧
  • 工程写真を提出してくれる
  • メーカー認定施工店で保証が明確

この3つを満たす業者を選べば、
外壁塗装で後悔することはまずありません。

あなたの大切な住まいを守るために、
「価格」よりも「信頼」を重視した業者選びを心がけましょう。

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