外壁塗装の剥がれ・膨れの原因と正しい補修法|再塗装で失敗しないためのチェックポイント

外壁塗装をしてから数年で「塗膜が剥がれてきた」「膨らんでいる部分がある」──
そんなトラブルは決して珍しくありません。
見た目の問題だけでなく、放置すると雨水の侵入や内部腐食にもつながるため、
早期発見と正しい補修が重要です。

この記事では、外壁の剥がれ・膨れの主な原因と、
再塗装時に失敗しないための具体的な対策をわかりやすく解説します。


1. 外壁塗装の「剥がれ」「膨れ」はなぜ起こる?

外壁の塗膜が剥がれる・膨れる原因は、大きく分けて施工不良経年劣化の2つです。

(1)下地処理の不足(施工不良)

塗装前に汚れ・カビ・古い塗膜を十分に除去していないと、
新しい塗料が下地に密着せず、数ヶ月〜1年ほどで剥がれが発生します。
特にチョーキング(白い粉)が残ったまま塗装すると、密着不良の原因になります。

(2)塗料の希釈率ミス

塗料を薄めすぎると、塗膜の強度が落ち、紫外線や雨風で早期に劣化します。
逆に濃すぎると乾燥不良やムラが生じることもあります。

(3)気温・湿度条件の不適合

塗装時の気温が5℃以下、または湿度が85%を超えると、塗料が正しく硬化しません。
結果、表面だけが乾いたように見えても、内部は未硬化で膨れや剥がれが起こります。

(4)水分の侵入(雨漏り・結露)

サイディングの隙間や目地、屋根との取り合い部分から水分が入り、
内部から塗膜を押し上げて膨れを発生させるケースがあります。
特にモルタル壁では、微細なクラックからも浸水することがあります。

(5)旧塗膜との相性問題

前回使用した塗料と新しい塗料の性質が合わない場合、化学反応で剥離が起こることがあります。
例:旧=アクリル、水性 → 新=溶剤系 など。


2. 劣化が進行するとどうなるか?

放置すると、次のような被害が進行します。

症状被害内容対応
剥がれ下地が露出し、雨水が侵入早期再塗装
膨れ内部水分で塗膜が浮く下地補修+再塗装
ひび割れ構造内部の腐食・雨漏りクラック補修必須
変色紫外線・汚染物質による劣化再塗装で改善

💡放置期間が長いほど補修費用が増大します。
膨れや剥がれは“再塗装のサイン”として早めに対応するのが得策です。


3. 正しい補修手順(プロ仕様)

1️⃣ 劣化部分の確認

  • 目視と打診棒で浮きや空洞をチェック
  • 膨れ部分を切開して内部の状態を確認

2️⃣ 下地処理

  • 劣化した塗膜をケレン(削り落とし)で完全除去
  • サンドペーパー・ディスクグラインダーを併用

3️⃣ 水分除去

  • 下地が湿っている場合は完全乾燥させてから次工程へ
  • 結露がある場合は1日以上の乾燥期間を確保

4️⃣ 下塗り(シーラー塗布)

  • 下地と上塗り塗料の密着性を高めるため、
     浸透性シーラーまたはエポキシ系プライマーを使用

5️⃣ 中塗り・上塗り

  • メーカー指定の乾燥時間を厳守
  • 希釈率を正確に管理し、均一な厚みで塗布

4. 剥がれ・膨れが起こりにくいおすすめ塗料

メーカー製品名特徴
日本ペイントパーフェクトトップ密着性が高く、下地との相性が良い万能型
エスケー化研プレミアムシリコン弾性塗膜で膨れ・ひび割れを防止
アステックペイントシリコンREVO1000下地追従性+高耐久
関西ペイントアレスダイナミックTOP密着・防水・防藻性能が高い

💬 補足:
再塗装時には「旧塗膜の種類」を業者に確認してもらいましょう。
相性の悪い塗料を重ねると、再び剥がれを起こすリスクがあります。


5. DIY補修の注意点

  • 剥がれた部分だけを塗り直すと色ムラが出る
  • 下地処理を怠ると再発率が高い
  • 広範囲の剥がれはプロ施工必須

小さな膨れならカッターで開いて乾燥→補修も可能ですが、
内部が湿っている場合は自分で触らず専門業者に依頼しましょう。


6. 再発防止のポイント

ポイント内容
下地処理汚れ・旧塗膜を完全除去
乾燥管理湿度・気温をチェック
塗料選定下地との相性確認
施工品質メーカー仕様書の遵守
定期点検5年ごとの塗膜点検を推奨

7. まとめ

外壁塗装の剥がれ・膨れは、「施工時の手抜き」か「環境要因」によって起こります。
再塗装の際は、下地の状態を正確に診断し、
シーラー選定・乾燥時間・塗料の相性を守ることが再発防止のカギです。

もし施工から数年でトラブルが出た場合は、
業者に保証対応を確認し、必要に応じて再施工を依頼しましょう。
きちんと手順を踏めば、次の塗装は10年以上美観を保つことが可能です。

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