外壁塗装のトラブル事例と回避方法【実際によくある失敗とその防ぎ方】

外壁塗装は住宅を美しく守るための大切な工事ですが、
同時に「トラブルが多いリフォーム工事の代表」とも言われます。

国民生活センターには毎年数百件の苦情が寄せられており、
中には「塗装後すぐに剥がれた」「見積もりより高額請求された」など深刻な例もあります。

この記事では、実際に多いトラブル事例をもとに、失敗を未然に防ぐための実践的な回避方法を解説します。
これを知っておけば、悪質業者に騙されず、満足度の高い外壁リフォームを実現できます。


1. 見積もりトラブル:後から追加費用を請求される

よくある事例

見積書には「一式」としか書かれておらず、工事途中で
「下地が傷んでいた」「予定外の補修が必要」などの理由で追加費用を請求されるケース。

例:

見積もり80万円→実際120万円になった、という相談が多発。

回避方法

  • 契約前に「追加工事が発生する条件」を文書で明確にしておく。
  • 見積書に「塗料名」「㎡単価」「塗布回数」「足場代」などの内訳があるか確認。
  • 安すぎる見積もりは「後出し請求」の可能性あり。

チェックポイント:

  • 見積書に「塗装面積(㎡)」と「単価」が明記されているか
  • 「一式」表記だけの項目がないか

2. 品質トラブル:塗装後すぐに剥がれ・膨れが発生

原因

  • 下地処理(高圧洗浄・ケレン作業)を省略している
  • 乾燥時間を守らずに上塗りを重ねた
  • 3回塗りではなく、2回塗りで終わらせた

見た目ではわからなくても、塗膜の内部で密着不良が起きると
半年〜1年後に「膨れ」や「剥がれ」が発生します。

回避方法

  • 契約時に「3回塗り」と書かれているか確認
  • 工事中に写真を撮影してもらう(洗浄・下塗り・中塗り・上塗り)
  • 乾燥時間は「中塗り→上塗りの間に4〜6時間以上」が理想。

信頼できる業者は、必ず「施工中写真」を納品後に共有してくれます。


3. カラー選びトラブル:イメージと違う仕上がり

よくある事例

「見本帳で見たより明るい」「壁がツヤツヤしすぎる」と後悔するケース。
塗料の色は、太陽光や建物の面積で大きく見え方が変わります。

回避方法

  • A4サイズ以上の「塗り板サンプル」で実際の色を確認。
  • 晴れの日・曇りの日の両方でチェックする。
  • ツヤ感(ツヤ有・3分ツヤ・ツヤ消し)を事前に指定。

アドバイス:
→ 明るい色は日差しでさらに白っぽく見えます。
→ ベージュ・グレー系は汚れが目立ちにくく人気です。


4. 近隣トラブル:挨拶・騒音・塗料の飛散

よくある事例

「塗料の臭いがきつい」「車に塗料が飛んだ」「足場の音がうるさい」などの苦情。
特に住宅密集地では、事前説明の有無で印象が大きく変わります。

回避方法

  • 着工前に、業者または施主が近隣挨拶を行う
  • 養生(カバーシート)の有無を確認
  • 臭いが気になる場合は、水性塗料を選ぶ(VOCが少ない)

優良業者は、近隣に「工事予定表」や「連絡先」を配布してくれます。
もしトラブルが起きた場合も、現場責任者が迅速に対応してくれる体制が理想です。


5. アフターサービスの欠如:施工後の対応がない

よくある事例

工事が終わった直後は連絡が取れても、
1年後に剥がれを相談したら「倒産していた」「連絡がつかない」など。

回避方法

  • 保証書(5〜10年)を必ず受け取る。
  • アフター点検の時期が書かれているか確認。
  • 契約時に「本社所在地・担当者直通番号」を控えておく。

目安としての保証期間

塗料の種類施工保証目安
シリコン塗料約5〜7年
フッ素塗料約8〜10年
無機塗料約10〜12年

6. 悪質業者に多い手口と見抜き方

代表的な手口

  • 「今日契約すれば半額です」と即決を迫る
  • 「近くで工事しているので無料点検します」と訪問営業
  • 「今の塗装は危険」と不安を煽る

見抜く方法

  • 名刺・会社登記住所をチェック
  • 口コミ・Googleレビューを確認
  • 契約前に会社の施工実績ページを見る

悪質業者はホームページの施工写真が「使い回し」だったり、
所在地がレンタルオフィスの場合も多いので要注意です。


7. 信頼できる業者を選ぶ3つの基準

  1. 地元密着・自社施工
     下請けではなく自社職人が施工する業者は、品質管理が徹底している。
  2. 見積もりと説明が丁寧
     素人にもわかりやすく、質問に的確に答える業者は信頼度が高い。
  3. 口コミ・実績・保証が揃っている
     Googleレビューで★4以上、施工事例10件以上あれば安心。

まとめ:トラブルを防ぐ最強の対策は「知識+確認」

外壁塗装トラブルの多くは、「知識がないまま契約してしまう」ことが原因です。

  • 見積もりを細かく確認
  • 下地処理・塗料・保証を明確に
  • 写真付きの施工記録をもらう

この3点を守れば、ほとんどのトラブルは未然に防げます。
外壁塗装は“塗る工事”ではなく、“信頼で完成する工事”。
正しい判断力を持てば、安心で美しい住まいを手に入れられます。

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