外壁塗料の艶あり vs 3分艶 比較:耐久性・施工性・見た目まで徹底解説

外壁塗装で「艶(グロス)」を選ぶとき、「艶あり」「3分艶(半つや寄り・控えめな艶)」の違いはどれだけ影響があるのか気になる人は多いはず。
ここでは、各主要メーカーの公式情報を元に、艶ありと3分艶の比較(耐久性・施工性・見た目)を深掘りして解説する。
あなたが家の仕様を決めるときに後悔しないよう、知っておくべきポイントを全部盛り込んだ。


1. 艶とは何か? & 艶の選び方

まず「艶(つや)」とは、塗膜表面の反射率を指す。
JIS規格(JIS K 5600)では鏡面反射度を角度ごとに測定する定義がある。
艶の強さは見た目に直結するだけでなく、汚れの付きにくさ・光沢保持性にも関わる。

  • 艶あり:高反射でツヤツヤ。汚れが付きにくく、光沢維持が強いという設計が各社で多い。
  • 3分艶:控えめな艶で高級感を抑える。「落ち着いた外観」を好む住宅に好まれるが、艶ありよりもムラ・見え方差に注意がいる。

2. 各社の艶オプションと性能(メーカー公式より)

日本ペイント(パーフェクトトップ等)

  • 艶あり/7分/5分/3分/艶消し のバリエーションを公式に用意。
  • つや調整品には注意書きがあり、撹拌不足や下地との相性で艶ムラが出る可能性が記されている。
  • 高耐候性・低汚染・防かび・防藻性能を併記。
    → 結論:艶ありを基準設計しつつ、3分艶も許容する条件付き仕様あり。

関西ペイント(アレスダイナミックTOP)

  • 艶あり/3分艶 等の選択肢。
  • 強化剤併用仕様で湿潤面対応や高湿度下での密着性を高めると公式に記載。
  • よって、3分艶でも湿気が高い地域での施工性を補強できる。

エスケー化研(プレミアムシリコン 他)

  • 艶あり/半艶/3分艶/艶消しをラインアップ。
  • 隠ぺい性能・レオロジー設計(流動性と粘度のバランス)で施工性を高めた仕様。
  • 艶を抑えるほど塗膜の層が淡く見えるので、しっかり膜厚を確保する必要性が言及されている。

アステックペイント(超低汚染リファインなど)

  • 艶あり/3分艶 が中心仕様。
  • キセノン促進耐候試験で、耐候性年数換算値を公開(たとえば Si-IR 仕様で約15〜18年相当)
  • 艶ありを標準設計としつつ、3分艶仕様も提供。

3. 艶あり vs 3分艶:耐久性・見た目・施工性の比較

比較項目艶あり3分艶
耐久性・光沢維持性各社で標準基準。光沢を守る配合設計されていることが多い艶を落とす分、劣化が目立ちやすいケースあり。ただし適切設計なら差は最小化可能
汚れ耐性表面が滑らかで雨で汚れを洗い落としやすい艶の抑えが汚れ受け板になり得るため、低汚染機能が重要
ムラ・見え方差見栄えのムラが出にくい拡大してムラが目立ちやすい。撹拌・試し塗りがカギ
施工性一般的な施工手順で安定つや調整品は撹拌・乾燥管理に高い精度が必要
下地適合性多くの下地に対応一部下地では艶調整ができないと明記するケースあり

4. 実務で差が出るポイント:チェックリスト

  1. A4以上の塗り見本を艶ありと3分艶で見比べる
  2. 陰・陽・隣地からの見え方を実際に確かめる
  3. 低汚染・防かび設計の有無を説明してもらう
  4. 艶調整仕様の注意書き(撹拌、膜厚、相性)を確認
  5. 保証・耐候年数が塗料仕様に基づいて明記されているか確認

まとめ:迷ったら「立地×外観デザイン」で選ぶ

  • 雨風・塩害・紫外線が強い環境では 艶あり が無難。
  • 落ち着いた住宅街や和モダン住宅では 3分艶 が自然。
  • 艶を落とすほど施工精度が問われるため、経験豊富な業者を選ぶのが必須

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