埼玉県の外壁塗装で起きやすい不具合と対策|寒暖差・乾燥・ひび割れを防ぐポイント

埼玉県は海から離れた内陸気候で、夏は猛暑・冬は乾燥と寒暖差が大きい地域です。
このため、沿岸部の「塩害」よりも、乾燥によるひび割れ・紫外線によるチョーキング(白粉化)・温度差による塗膜劣化が起きやすいのが特徴です。
ここでは、埼玉県で実際に起きやすい外壁塗装の不具合事例と、その原因・対策を詳しく解説します。


1. モルタル外壁のひび割れ(クラック)

事例

冬場に発生した細かなひび割れから、春先の雨水が浸入して壁内部が膨張。
やがて塗膜が浮き上がり、外壁が部分的に剥離するケースが発生。

原因

  • 日中と夜間の気温差10℃以上による伸縮ストレス
  • モルタル下地の乾燥収縮
  • 既存クラックを補修せず上塗りした施工不良

対策

  • クラック補修材(弾性フィラーや微弾性サーフ)で下地処理を徹底
  • 弾性塗料(アステックペイント「EC-5000PCM」など)を使用
  • 南面など直射日光を受けやすい箇所は特に膜厚を確保
  • 下塗りから仕上げまで“弾性一貫仕様”で施工すること

2. チョーキング(白粉化)の早期発生

事例

塗装から3〜4年で外壁を触ると白い粉が手に付着。
色あせが進行して外観が古く見える。

原因

  • 紫外線による塗膜樹脂の分解
  • 低耐候性のアクリル塗料を使用
  • 外壁温度が高温になりやすい内陸特有の環境

対策

  • フッ素系または無機系の高耐候塗料(耐候年数15〜20年)を採用
  • 表面温度上昇を抑える遮熱塗料(日本ペイント「サーモアイ」など)を使用
  • チョーキング検査を定期的に行う

3. 塗膜の収縮・剥がれ(乾燥環境による硬化不良)

事例

塗装直後は問題なかったが、1〜2年で細かな収縮ひび割れが発生。
特に北面や日陰よりも西日が強く当たる面で多発。

原因

  • 施工時の気温・湿度が適正でなかった
  • 乾燥が早すぎて塗膜が完全硬化する前に収縮
  • 下塗りと上塗りの密着不足

対策

  • 冬季・夏季の施工時間帯を調整(直射日光時を避ける)
  • 下塗り後の乾燥を十分に取る(目安6時間以上)
  • 弾性中塗り材で膨張・収縮を吸収させる

4. コーキングのひび・痩せ(乾燥と紫外線が原因)

事例

外壁塗装から3年ほどで、サイディングの目地にひび割れや隙間が発生。
雨水侵入の原因となり、外壁下地の腐食が進行。

原因

  • 埼玉特有の乾燥気候でコーキングの可塑剤が揮発
  • 紫外線による硬化
  • 打ち替えではなく「増し打ち」で済ませた施工

対策

  • 変性シリコンまたはポリウレタン系の高耐候タイプを採用
  • 完全打ち替え工法で古いコーキングを撤去
  • UVカット塗料をコーキング上にも塗布

5. ホコリ・排気ガス汚れ(都市近郊特有)

事例

川口・さいたま市・越谷など都市部では、車の排気ガスや埃が壁に付着しやすく、白・ベージュ系外壁で黒ずみが目立つ。

原因

  • 汚染物質が静電気で付着
  • 雨だれによる黒筋汚れ
  • 外壁表面の撥水性低下

対策

  • 低汚染型塗料(エスケー化研「クリーンマイルドシリーズ」など)を採用
  • 撥水・親水タイプの塗料で汚れを自然洗浄
  • 雨樋の水はけ・排水経路の点検を同時に実施

✅ 埼玉県住宅向けチェックリスト

チェック項目内容確認
クラック補修弾性フィラー使用・下地処理済みか
コーキング打ち替え or 増し打ち確認
塗料選定耐候性・遮熱性が確保されているか
汚れ対策低汚染・親水塗料を採用しているか
施工時期気温・湿度の管理が適切か

まとめ

埼玉県のような寒暖差・乾燥・紫外線の強い地域では、外壁塗装に求められる性能が沿岸地域とは異なります。
ひび割れ防止には弾性仕様を、チョーキング対策には高耐候塗料を、そして美観維持には低汚染塗料を選ぶのがポイントです。

地域特性を理解した塗装業者を選び、定期点検・再塗装のタイミングを見極めることで、住宅の資産価値を長く保つことができます。

タイトルとURLをコピーしました