千葉県は東京湾と太平洋の2つの海に面しており、地域によって気候条件が大きく異なります。
特に、浦安・市川・千葉市・木更津・館山などの海沿い地域では「塩害・湿気・強風」による外壁の劣化が早まりやすい傾向にあります。
ここでは、千葉県の外壁塗装で実際に起きた不具合事例と、その原因・対策を地域特性を踏まえて詳しく解説します。
1. 塗膜の膨れ・剥がれ(海風・湿気が主原因)
事例
塗装から1年も経たないうちに、南面や海側の壁で塗膜の膨れ・剥がれが発生。
晴天時に気泡のように浮き上がる箇所も多く、放置すると雨水が内部に侵入して再劣化。
原因
- 洗浄後の乾燥不足(湿気が残ったまま塗装)
- 海風に含まれる塩分が下地に付着したまま塗装
- 下塗り材が耐塩仕様でない
- 高湿度環境下での施工
対策
- 洗浄後は48時間以上乾燥+湿度計で管理
- 下地洗浄時に「塩分除去剤」や真水リンス洗いを実施
- 下塗りに耐塩性シーラーを採用(例:エスケー化研・アステックペイント耐塩仕様)
- 天候により作業延期できる柔軟なスケジュールを確保
2. 色ムラ・艶ムラの発生(湿気+艶調整不良)
事例
3分艶で仕上げたはずが、部分的にツヤが強く出たり、逆にくすんだ箇所が目立つ。
特に朝露の多い内房・外房地域で多発。
原因
- 湿気で塗料が硬化する前に水分を吸収
- 撹拌不足または艶調整剤の沈殿
- 塗布間隔(インターバル)を守らなかった
- 塩分やカビが表面に残っていた
対策
- 艶調整品は施工直前に再撹拌
- 湿度85%以上時は作業中止
- 塗布間隔を必ず守る(1層ごとに6〜8時間乾燥)
- 下地除菌・除藻処理を施工前に実施
3. コーキングの早期劣化(潮風と日射の複合ダメージ)
事例
サイディング目地やサッシ廻りのコーキングが、2〜3年で硬化・剥離。
特に南向き・海側の面に集中。
原因
- 紫外線と塩害による化学劣化
- 打ち替えではなく「増し打ち」で済ませた
- コーキング材がノーマルタイプで耐塩・耐候性不足
対策
- 完全打ち替え施工(古いコーキングは全撤去)
- 耐塩・耐候グレードの変性シリコン系またはポリウレタン系を採用
- UVカット塗料で上塗り保護
4. チョーキング(白粉現象)の早期発生
事例
塗装から3〜5年で表面が白く粉を吹いたようになり、触ると手に白い粉が付着。
沿岸部では潮風と紫外線で劣化スピードが倍増。
原因
- 紫外線・塩分・湿気による塗膜の酸化
- 低耐候塗料の使用
- 塗布量・膜厚不足
対策
- フッ素・無機などの高耐候塗料を選定(耐候年数15年以上)
- 膜厚管理を厳守し、1㎡あたりの塗布量を確認
- 表面の汚れを定期的に水洗いで除去
5. 汚れ・藻・カビの発生(湿気の多い内陸側)
事例
市原・茂原・成田など湿気の多い内陸地域では、北面や日陰で藻や黒カビが発生。
せっかく塗装しても2年ほどで緑色の汚れが目立つ。
原因
- 防カビ成分の少ない塗料を選定
- 雨だれ・結露による水分滞留
- 風通しの悪い立地
対策
- 防藻・防カビ塗料を使用(日本ペイント「パーフェクトトップ防藻仕様」など)
- 雨水経路の改善(縦樋・水切り点検)
- 定期的な外壁洗浄
✅ 千葉県住宅の塗装前チェックリスト
| チェック項目 | 内容 | 確認 |
|---|---|---|
| 洗浄乾燥時間 | 48時間以上確保されているか | □ |
| 下塗り材 | 耐塩・防湿仕様を選定しているか | □ |
| コーキング | 打ち替えか、ただの増し打ちか | □ |
| 艶調整 | 施工前に再撹拌されているか | □ |
| 防藻・防カビ | 塗料に防カビ機能が含まれているか | □ |
まとめ
千葉県の外壁塗装では、海風・湿気・紫外線・温度差の4要素が劣化を早めます。
そのため、塗料のグレード選定と乾燥管理を徹底し、塩害・湿気対応の下塗り材を使用することが重要です。
特に海沿い住宅では、塩分除去・耐塩下塗り・完全乾燥の3ステップを守ることで、長期的に美しい外観を維持できます。
信頼できる業者に、地域特性を理解した施工プランを提案してもらいましょう。
